レッスンをしていると、特に初心者の方より、ピアノを弾く時の姿勢について質問されますので、ご紹介したいと思います。
まず、ピアノを弾く時の姿勢として、私自身がポイントと考える点は大きく2つです。
●鍵盤を弾く際の手(指)の形
●椅子とピアノの距離、座り方および椅子の高さ
まず、「鍵盤を弾く際の手(指)の形」について私の考えをご紹介したいと思います。
よく小さい頃、ピアノを弾く際の手の形は、「鍵盤と手のひらの間に卵があるのをイメージする」
と言われた記憶があります。要は、手のひらと鍵盤の間に、ある程度空間を作って下さいねという意味です。
実際、初心者の方を見ていると、、
①指がピンと伸びていてまっすぐだったり
②手や手首が鍵盤に対してダラーっと下がっていたり
手のひらと鍵盤の間に「卵」のスペースが無い方も多いです。
それはそれで、ご本人的には弾きやすいと思っていらっしゃるかもしれませんが、
「卵」のスペースを作ることには、それなりの理由(利点)があると私は考えます。
一番の理由は、指の関節を有効に使えるからです。
指には3つの関節がありますし、手首を入れれば、合計4つの関節があります。
鍵盤を弾くにあたり、関節はコントロールを司る装置のようなものですから、
これを有効に使わないといけないわけですが、
①は言うまでもなく、指が伸びてしまっているので、関節の機能は無効となります。
②も、手首などが鍵盤の位置より下にきていたりと、関節を有効に使えていない状態です。
このような理由から、「鍵盤と手のひらの間に卵があるのをイメージする」と言われてきたのではないかと思います。
ピアノという楽器は、単に鍵盤を押して音が出ることがゴールではなく、
どのようなニュアンスの音を出すのかがポイントです。
一言で、「大きい音」と言っても、派手な大きい音もあれば、重くて大きい音もあります。
そう言った細かいニュアンスを出すには、当然関節を有効に使えて、
様々な力の伝え方が出来る方が、当然音の幅が広がります。
加えて、関節を有効に使うという意味で、無駄な力を加え無いこと、特に、肩の力、腕の力を、
通常はリラックスした状態でいることが大切かと思います。
確か、お相撲さんなどは、あれだけの怪力を武器にしていますが、体はとっても柔軟であると聞いたことがあります。
つまり、大きい音を出すということは、体を柔らかく使うことでもあると言えそうです。
このリラックスした状態の上に、先ほどの手の形の意識を置いていただくことから、
まずは初めていただけたら良いのではないかと思います。
次回は、「椅子とピアノの距離、座り方および椅子の高さ」
について、ご紹介したいと思います。 お楽しみに!