さて、今回は、
前回(「ピアノを弾く時の姿勢について」)
の続き、「椅子とピアノの距離、座り方および椅子の高さ」
についてお話ししたいと思います。
椅子の座り方、ピアノとの距離
まず、椅子とピアノの距離のお話しですが、
この距離を考える時には、同時に、「座り方」を考える必要があります。
例えば、椅子に深く座れば、ピアノ距離はその分広がりますし、
浅く腰かければ、ピアノとの距離は近くなるからです。
では、私はどう考えるかと言えば、ちょうど中間くらいがオススメです。
理由ですが、深く座りすぎた場合、重心や体重が、完全に椅子にのってしまって、
足で踏ん張ることができないので、大きな音が出せませんし、高い音や低い音を弾く際の左右の体の動きを支えられません。
反対に、浅く腰掛けるような場合には、今度は重心が足に集中してしまって、
単純に疲れますし、やはり、高い音や低い音を弾く際に、左右への動きが、これはこれでとっても窮屈になるはずです。
ですので、両者の中間を取ることで、ちょうど良いバランスが保てるかと思います。
この時、重心は、どうなっているかというと、椅子にのっている腰の部分で約半分。
もう半分は、足で、支えているイメージです。
腰に重心を置きますので、やはり背筋は基本まっすぐ伸びていた方が良いでしょう。
ちなみに私は猫背なのですが、ピアノを弾く時は、背筋をまっすぐにしますし、
その際、腹筋にも(多少ですが)力を入れている感覚があります。
ピアノの椅子の高さ
最後に、椅子の高さですが、こちらは、仮に演奏家を横から見た場合、鍵盤から肘にかけて、だいたい水平になっているくらいが通常です。
場合によっては、演奏家から見て鍵盤を水平の位置よりも低めに設定することもあるかと思いますが、
少なくとも、水平の位置よりも高めに設定する(鍵盤を見上げて弾くようなイメージ)ことは少ないかと思います。
こちらも結局は、関節を有効に使うために適した姿勢を追求した結果なのだと思います。
以上、ピアノを弾く時の姿勢についてご紹介させていただきました。
参考にしていただければ嬉しいです。